「毎月利息が入るなら、月複利を選べばよい?」。まず見るのは回数ではなく、その利息が次の利息を生む元金に戻るかです。月に一度受け取っても、外に出したままなら同じ再投資の計算にはなりません。
このページでは、利息を別に受け取るAと、元金に戻すBを比べます。100万円・年4%・12か月なら、税金などを除いた合計の差は742円。 ただし、Aの利息を使ってしまった場合まで同じ合計が残る、という意味ではありません。
二つの例
次は実在する銀行商品ではありません。元金1,000,000円、固定の名目年利4%、期間12か月、元金の追加預入れ・引き出しなし、税金・手数料なしという数学上の例です。月利は4%を12で割り、途中では端数を丸めず、最後の表示だけ1円単位に四捨五入します。銀行の毎月の利払額・端数処理を再現する条件ではありません。
- A:利息は外へ。 毎月、当初の元金だけに利息を計算して別に保管し、その保管先にも利息が付かないと仮定します。元の元金は増えません。
- B:利息を戻す。 毎月の利息をすべて元金に加え、翌月は増えた額に同じ月利を掛けます。これがこの例の月複利です。
SECのInvestor.govは、複利を元金だけでなく積み上がった利息にも付く利息として説明しています。「毎月受け取る」という表示だけからBと決めず、組入れの条件を確かめます。
| 12か月後に見る値 | A:外に保管 | B:毎月戻す |
|---|---|---|
| 元の口座にある額 | 1,000,000円 | 1,040,742円 |
| 外に保管した利息 | 40,000円 | 0円 |
| 両方の合計 | 1,040,000円 | 1,040,742円 |
Bの利息合計は40,742円です。Aの40,000円との差が742円になります。Bで増えたのは入金した元金ではなく、再投資した利息を含む残高です。
Aの利息を使ってしまったなら、その使った分は手元に残りません。上の「両方の合計」は、外に受け取った利息を全部残した場合の合計です。残高・累計で受け取った利息・現在の手持ちを同じ数字だと思わないでください。
数値を確認
日本語の利息計算ツールで、次の架空の値だけを使います。入力値はURLに含まれ、共有先やリクエスト・ログに伝わる場合があります。実際の預金額や口座情報は不要です。
- 「預金 (普通/定期/積立)」を開き、元金に 1000000、月々積立額に 0、年利に 4、期間に 12 を入れます。税引後のチェックは外します。
- 「単利」を選ぶと、満期受取額は1,040,000円、利息合計は40,000円です。Aの元金と利息を合計した算術に対応します。
- 入力は変えずに「月複利」へ。満期受取額は1,040,742円、利息合計は40,742円になります。
- 月別預金試算表の2回目も見ます。元利合計は単利で1,006,667円、月複利で1,006,678円です。最初の月に付いた利息が、次の月に計算対象になる違いを確認できます。
この計算機は利息を毎月払い出す機能ではありません。 単利側の「満期受取額」や表の「元利合計」は、元金と利息をまとめた試算値です。Aの元の口座の残高だけでも、別口座への実際の入金履歴でもありません。日割り・利払日・端数処理、使ったお金や別口座の金利は計算しません。「普通」「定期」「積立」の商品名も、銀行の契約条件を取り込む機能ではありません。
確認メモ
次の四項目を、自分の紙やメモに残せます。このページへの入力や登録は不要です。答えが分からない項目は空欄のまま金融機関へ確認してください。
- 利率と期間: どの期間の何%か。途中で変わるか。
- 利息の行き先: 元金に戻すか、別口座へ受け取るか。
- 組入れの時期: いつから次の利息の計算対象になるか。
- 税金と費用: いつ、何から差し引くか。中途解約時はどうなるか。
質問するなら、たとえば「この利息は、次の利息を計算する元金に入りますか。いつ入りますか」と具体的に聞けます。この四項目は当サイトの確認用メモで、全商品の約款を網羅したチェックや購入推奨ではありません。税引後の結果が必要でも、この税金なしの例をそのまま手取り額にしないでください。
更新(2026年10月16日): 利息の行き先を比べる例と確認メモを加え、既存の計算表を付録に整理しました。2026年9月22日に訂正した月複利の金額、72の法則の誤差、パーセントポイントの用法と、旧数値入り画像の撤回は維持しています。実在商品の金利や契約を新たに調査した記事ではありません。
以下は、長い期間の式も検算したい人向けの付録です。冒頭の100万円と取り違えないよう、従来の1億円を使った表を残しています。
付録
元金100,000,000円、固定の名目年利4%、追加の入出金なし、税金・手数料なしとします。複利の利息はすべて再投資し、30年間金利が変わらないと仮定します。実際の運用成果や購買力を保証する条件ではありません。
単利は当初の元金に利息が付きます。複利では積み上がった利息も次の利息の計算対象になります。この定義は米国SECのInvestor.govと照合しました。
1億円の比較表
| 期間 | 単利 | 年複利 | 月複利 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 104,000,000円 | 104,000,000円 | 104,074,154円 |
| 5年 | 120,000,000円 | 121,665,290円 | 122,099,659円 |
| 10年 | 140,000,000円 | 148,024,428円 | 149,083,268円 |
| 30年 | 220,000,000円 | 324,339,751円 | 331,349,801円 |
途中では丸めず、最終額のみ1円単位に四捨五入しました。30年の月複利と単利の差は111,349,801円、5年では2,099,659円です。期間の異なる例を混ぜて効果を比較しないことが大切です。
年複利の式
元金をP、年利を小数のr、期間をt年、年間の複利回数をnとします。
- 単利の残高:
P × (1 + r × t) - 複利の残高:
P × (1 + r/n)^(n × t) - 年複利はn=1、月複利はn=12です。
月複利30年の例は 100000000 × (1 + 0.04/12)^360 です。これは一括で預けた元金の式であり、毎月積み立てる場合の式ではありません。追加の入金があれば、それぞれの入金時点と運用期間も考慮します。
表を計算ツールで確かめる場合: 日本語の利息計算ツールで「預金 (普通/定期/積立)」を開き、元金1億円・月々積立額0円・年利4%・期間360か月・税引前に設定します。「単利」と「月複利」は切り替えられますが、「年複利」の選択肢はありません。年複利の列は上の式に n=1、t=30 を入れて確かめてください。実際の商品の付利条件を再現したものではありません。
72の法則
72を年利のパーセント値で割ると、残高が2倍になる年数を概算できます。日本のJ-FLECの用語解説も、この式は複利を前提にした概算だと説明しています。年複利の理論値は ln(2) / ln(1+r) です。
| 年利 | 72の法則 | 年複利の理論値 |
|---|---|---|
| 2% | 36年 | 35.0028年 |
| 4% | 18年 | 17.6730年 |
| 6% | 12年 | 11.8957年 |
| 8% | 9年 | 9.0065年 |
| 10% | 7.2年 | 7.2725年 |
年数の相対誤差は2%のとき約2.85%、4%のとき約1.85%です。常に1%以内とはいえません。理論値は時間を連続的に扱った値です。年末にだけ利息が付く契約では、実際の残高が2倍を超える入金時点を別に確認します。
4%で約18年かかって2倍になることは、30年で4倍になるという意味ではありません。2倍を2回繰り返すには約36年かかります。この違いを税金や月複利のせいにするのは誤りです。
割合の単位
30年後の月複利は年複利より約7,010,050円多く、年複利の残高に対して約2.16%の増加です。「7パーセントポイント」ではありません。パーセントポイントは二つの割合の差を表す単位であり、残高同士の差にそのまま使えません。
商品の条件
この計算は税金・手数料・金利変動・中途解約条件を除外しています。利息の支払時期や再投資できるかどうかも実際の契約で確認してください。特定の預金・ファンドの将来収益や、税制上有利な口座を断定する記事ではありません。
検証範囲: 数値例は自動テストで再現しました。金融の専門家による助言や、人による記事全体の事実確認完了を意味するものではありません。