隣の席の同僚と年収が同じでも、毎月の手取りは違います。額面が同じでも、手取りは人によって分かれます。何がその差を生むのか、令和8年(2026年)基準で同じ年収500万円を例に計算して比べました。
同じ年収でも手取りが違う:何で差がつくか
年収が同じなら厚生年金や雇用保険はほぼ同じだけ引かれます。それでも手取りは変わります。
分かれるポイントは主に三つです。扶養親族の数、本人の年齢(介護保険)、そして住む都道府県の健康保険料率です。この三つが社会保険料と税金の計算を変えるため、同じ年収でも毎月残る金額が変わります。
扶養親族の数で変わる手取り
扶養控除は、一般の扶養親族なら所得税で1人38万円、住民税で1人33万円が基本です。扶養が多いほど課税所得が減り、所得税と住民税が軽くなります。
年収500万円(東京、30代)で計算すると、独身(扶養0)の手取りは月約325,502円です。同じ年収で扶養が2人いると手取りは月約335,092円になり、月で約9,590円、年で約11万5千円増えます。扶養控除のしくみは国税庁 No.1180 扶養控除にまとまっています。
40〜64歳は介護保険が上乗せされる
40歳から64歳までは介護保険の対象になり、健康保険料に介護保険料が上乗せされます。介護保険料率は全国一律1.62%で、従業員はその半額を負担します。
同じ年収500万円(東京、独身)でも、30代では手取りが月約325,502円なのに対し、40〜64歳では月約322,810円になります。介護保険のぶんだけ月約2,692円少なくなる計算です。
健康保険料率は都道府県で違う
協会けんぽの健康保険料率は都道府県ごとに決まっています。同じ年収でも、住む場所が違えば社会保険料が変わります。
年収500万円(独身、30代)で、東京の9.85%と料率の高い県(10.78%の例)を比べると、手取りは月約325,502円と月約323,957円になります。差は月約1,545円です。最新の都道府県別料率は協会けんぽ 令和8年度 保険料額表で確認できます。
| 条件 (年収500万円) | 所得税(月) | 住民税(月) | 手取り(月) |
|---|---|---|---|
| 独身・扶養0・30代・東京 | 10,008円 | 20,427円 | 325,502円 |
| 扶養2人・30代・東京 | 5,919円 | 14,927円 | 335,092円 |
| 独身・40〜64歳・東京 | 9,663円 | 20,090円 | 322,810円 |
| 独身・30代・料率10.78%の県 | 9,810円 | 20,233円 | 323,957円 |
同じ年収でも、条件によって月の手取りが1万円以上変わります。
自分の手取りを試算するには
自分の条件で確かめるのが一番です。手取り計算機に年収、扶養人数、年齢、健康保険料率を入れると、社会保険料と税金を反映した月の手取りがすぐに出ます。
なぜ控除が引かれるのか基本から知りたい場合は、先に 手取りの基本構造を読むのがおすすめです。前年からの増減率が気になるなら パーセント計算機も使えます。
転職・年収比較で見るべきこと
転職や年収比較でよくある失敗は、額面だけを見ることです。実際に使えるお金は手取りだからです。
同じ年収の提示でも、扶養の数や年齢、住む都道府県によって月の手取りは数千円から1万円以上変わります。提示された年収は、必ず手取りに換算して比べましょう。額面の大きな数字より、毎月口座に入る金額が本当の収入です。